4年が経つ
4年前の夏、五反田サロンを立ち上げた時のことを思い出すことがあります。ちょうど7月頃、あの小さな部屋を契約し、それまで運営していたタイ古式とアーユルヴェーダのサロンでの施術と並行して、新しいサロンの準備を進めていました。7月末には、以前のサロンのお客様たちに閉店のご案内をしていたのではないかと思います。
これはベッドバージョン。こんな装飾していた時もあったっけ。唯一? 残っていた部屋の写真です。
その頃はコロナ禍が始まったばかりで、以前お借りしていたサロンのオーナー様から「しばらくお店を閉めてほしい」というお話があり、それを受けて五反田への移転を決めました。その部屋はとても広く、居心地の良いお部屋で、今の自分であれば当時よりも技術が上がり、ジャブカサイがなくても、一日貸し切りのリトリートプランなどを提供できたかもしれません。当時のお客様は男女比がほぼ半々で、リピート率も非常に高く(約98%)、理想的な環境だったと振り返っています。
ただ、当時はまだ世の中がコロナウイルスへの不安で混乱しており、オーナー様の判断をとても尊重していたため、ご迷惑をかけないよう、その場所を離れる決断をしました。本当にお世話になったので、感謝の気持ちでいっぱいです。
そして、4年前の8月、「RAHASYA」という名前で五反田に新しいサロンをオープンしました。ジャップカサイ、ヨクトーン、チネイザンの3つを柱に、アーユルヴェーダやタイ古式なども含めた幅広いメニューで再スタートを切りました。その時は、「3か月続けばいい方だろう」と、軽い気持ちで臨んでいました。
しかし、オープンすると予想を超える反響があり、多くのお客様に恵まれました。そのおかげで順調にサロンを運営することができ、心から感謝しています。ただ、その2年後、私はさまざまなことを感じており、ジャップカサイやヨクトーンに対する理解を深めるため、一度立ち止まって学び直す必要を感じました。PCR検査だけで入国が許可されていたタイに渡り、約2か月間サロンをお休みしました。それが2022年8月のことです。
部屋からの夜景
店舗からモバイル型へ
タイでジャップカサイを学んで以来、私の考え方は大きく変化しました。それまでは店舗での施術に満足していましたが、師匠の施術を目の当たりにしてから、従来の枠組みが狭く感じられるようになったのです。睾丸だけに注目するのではなく、生殖器を一体として捉える重要性に気づきました。施術において大切なのは「一帯」の健康を考えることです。
以前、店舗で取ったアンケートでは、約8割の方が排尿に関する悩みを抱えていると答えていました。その中で、私自身が興味を持ち始めたのが前立腺マッサージです。腹部からアプローチする施術が注目されていますが、前立腺マッサージが鍵を握ると感じるのは自然な流れでした。
ただし、女性が男性に前立腺マッサージを行う場合、風営法の許可が必要となります。「裏メニューでこっそりやれば問題ない」「個人なら目をつけられない」といった考え方も耳にしますが、それは私が追求している「健康」をテーマとした施術の理念とは相容れません。健康的な体づくりに携わる以上、施術者と受け手の双方が誠実であることが大切です。心が汚れていれば、体も良い状態にはなりません。
このような背景から、私は警察に必要な手続きを申請し、正々堂々と施術を行う道を選びました。その結果、店舗での施術は不可能となりましたが、より自由で快適な環境を作るための決断でした。
法律の解釈や施術の範囲に関する議論は絶えませんが、最終的には警察や検察の判断に委ねられます。一部地域では、どんなスタイルであれ「ダメ」で片付けられてしまうことも事実です。射精を伴わない施術であってもアウトとされる場合があることを、警察からの説明で再確認しました。
参考にこちらの有名な記事を。「法定内で飛び交う言葉は、“睾丸マッサージ”」
施術を通じて、皆さまに短い時間でもリラックスしていただき、健康的な体と前向きな気持ちをサポートしたいと考えています。明るく、爽やかに、堂々と提供する施術こそが、体と心にとって本当に良い影響をもたらすのだと信じています。
解放的な今
今の形にしてから、ありがたいことに、以下のような声をいただくことが増えました。
- 「潔くていい」
- 「安心して利用できる」
- 「いつも最先端行っててウケる」
- 「個性炸裂してて気になりました」
- 「信用できます」
こうしたポジティブな捉え方をしてくださる方々が実は多いことに驚きつつも、とても嬉しく思っています。そして、私はそのような方々を大切にしていきたいと考えています。すべては捉え方次第。どんな物事にも、否定派・賛成派・無関心派が存在しますし、価値観は人それぞれです。その多様性を尊重することこそが、私自身のスタンスです。
届出を提出し、エロ要素を一切含まない形で活動している方々が広くいらっしゃることも、時代の変化や多様性の一例だと思います。女性による女性のためのセラピーであっても、しっかりと届出を行い運営されている方々がいます。その流れの中で、私もまた、自己流にアジア伝統マッサージを取り入れながら進化させていく道を歩んでいます。
現在では、マンフッドセラピーや前立腺、さらには生殖器に焦点を当てたセラピーも取り入れることができ、セラピストとして大きな満足感を得ています。「面白そう」「なんか気になる」という方に興味を持っていただければ、それだけで十分に幸せです。私の目標は有名になることでも、目立つことでもなく、アジア伝統マッサージをいかに自分らしく、より良い形で提供するか、という一点に尽きます。
とはいえ、まだまだ活動を始めて4年。これまでさまざまな挑戦をしてきましたが、今後しばらくはさらに磨きをかけることに集中し、一歩一歩着実に進んでいこうと考えています。
最後に、マレーシア人の先生からいただいた素敵な言葉をご紹介します。
“True success isn’t just the accomplishment; it’s learning to enjoy the journey.”
(真の成功とは、成果を得ることだけでなく、その道のりを楽しむことにある。)
その先生は私が勝手に“ポジティブの塊ポエマー”と呼んでいる方で、まじめで陽気で、そしてとても優しい人です。この言葉を胸に、私もまた、今を楽しみながら前進していきます。
不器用な私ですが、これまでご利用くださった方々、いつもホームページをチェックしてくださる方々、そして同業者の皆さまに心から感謝申し上げます。